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驚かずにはいられない、華麗なるコッポラ家の真実。【Part1】(Mayu Kato)

最近何かと話のネタに出てくるのが、コッポラファミリー。たくさんのコッポラさんが活躍していて、誰がどういう関係にあるのか、頭の中で混乱してきました。そこで、改めて華麗なる一族を振り返ってみたのですが、ただただ「すごい」の一言につきます。

まずコッポラと言えば......

Photo: AP/aflo

最初に思い浮かべるのは、映画界の巨匠、フランシス・フォード・コッポラでしょう。あの『ゴットファーザー』シリーズや『地獄の黙示録』といった名作を世に送り出した、言わずと知れたお方ですね。

そして上の微笑ましい写真で彼の横にいる女性が、妻であるエレノア・コッポラ。フランシスが手がけた映画で、彼女がアートディレクターのアシスタントだったのが出会いのきっかけだそう。セットデザイナーであっただけでなく、ドキュメンタリー映画監督としても『ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録』でエミー賞を獲得するほどの実力の持ち主。

そんなエレノアが最近、80歳にして長編映画監督としてデビューしたのです!なんともかっこいい。自身の体験をもとに脚本、監督を手がけたという最新作『ボンジュール、アン』は、ちょうど日本でも公開がはじまったので、お見逃しなく。(映画の詳細は、こちらの記事でチェックして。)

今は亡き長男。

映画『フィニアンの虹』の撮影現場で、フランシスと付け髭をしたジャン=カルロ。 Photo: Collection Christophel/aflo

まさに理想的な素敵夫婦に誕生した最初の子は、ジャン=カルロ・コッポラ。撮影現場の親子写真から家族の仲睦まじい様子が伝わってきますね。『ゴッドファーザー』をはじめとするフランシスの作品にカメオ主演をしていたこともある彼ですが、名前はあまり耳にしたことはないという方が殆どでは。実は、22歳の時にボートの事故に巻き込まれ、不幸にも命を落としてしまったのです。両親はもちろんのこと、コッポラファミリーに大きな心の傷を残したことは言うまでもありません。

お父さんと瓜二つの次男坊。

Photo: Shutterstock/aflo

ジャン=カルロと2歳離れた次男が、ロマン・コッポラ。ん?若かりし頃のフランシス?と見間違ってしまいそうなほど、すっかりお父さんに似てきた彼もまた、脚本家や監督として映画界で活躍する一人。この貫禄や立派なヒゲも含め、コッポラ家のDNAが騒いでいるのですね。

妹のソフィアによる『ヴァージン・スーサイズ』や『ロスト・イン・トランスレーション』ではセカンド・ユニット・ディレクターを担い、ファミリープレーもお手の物。さらに、友人であるウェス・アンダーソン監督の『ダージリン急行』や『ムーンライズ・キングダム』では脚本も共同で執筆していました。ウェス・アンダーソンとの共同作品の一つ、PRADAのキャンペーンムービー「キャンディ」は個人的に大のオススメです!(続きは、10分で楽しめる有名監督のファッションショートフィルムをご参照ください。)

絶大な人気を誇る、末っ子娘。

Photo: Splash/aflo

3兄弟の末っ子は、はい、みなさんご存知のソフィア・コッポラ。独特のロマンティックガーリーな世界観で多くの人の心を掴みっきりの彼女は、ファッション界でも人気者。15歳の時にはシャネルでインターンとしてカールの側で働いたこともあったり、MILKFED.でデザイナーとしても名を馳せたり。今では、フロントロウの常連さんですね。

もちろんのことながら、メインの監督業での活躍っぷりは言うまでもなく。親の七光り、だなんてことはありません!今年のカンヌ国際映画祭では、最新作『ザ・ビガイルド(原題) / The Beguiled』で監督賞を受賞するという快挙も達成しました。まだ予告編を見ただけですが、この映画もまたソフィアワールド全開で、日本での公開(今冬予定)が待ち遠しいです。

さらにもう一つ私が気になっているのが、ソフィアの演出で昨年上演されたオペラ『椿姫』。衣装はヴァレンティノが手がけるという、贅沢で美しい共演を果たしています。10月6日に日本でも映画館で上映開始されるそうなので、すぐにチェックしに行きます。

奇跡が生んだ初孫。

グッチを纏ったジア。 Photo: Shutterstock/aflo

ここまで聞いただけでも物凄いファミリーでしょうが、さらなる驚くべきことが。

長男ジャン=カルロ・コッポラが最後に付き合っていたのが、コスチュームデザイナーのジャッキー・ドゥ・ラ・フォンテーヌ。彼が悲劇的な事故で命を落とした時、19歳だった彼女はなんと妊娠2ヶ月目を迎えていたのです。そしてそう、この二人の間に奇跡的に生まれた子こそ、ジア・コッポラなのです。一家の心の救いとなった彼女もまた、例に漏れずコッポラDNAをしっかりと引き継ぎ、監督として大きな注目を集めています。

すでにオープニングセレモニーやザック・ポーゼンなどのファッションフィルムを手がけ、才能を発揮中。中でも、私の一番お気に入りといえば、グッチの2016年プレフォールコレクションキャンペーン(こちらで観れます。)言わずもがなだけれども、センス抜群です。今後の活躍から目が離せません。

2013年に東京国際映画祭に訪れた、(左から)フランシス、ソフィア、エレノア。 Photo: KCS/aflo

なんだこのファミリー!と言いたくなる、恐るべし一家。才能に溢れるメンバーは、まだまだこれだけではありません。あのニコラス・ケイジもコッポラ一族であったり......続きはPART2でご紹介します。

Mayu Kato